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 アルザスとブルゴーニュ、2大ワイン街道
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パリ発、TGV東線とライン・ローヌ線で巡る旅 Part2
 アルザスとブルゴーニュ、2大ワイン街道

ライター 平野いづみ
開通したTGVローヌ・ライン線の東支線でヨーロッパの十字路・ストラスブールを訪ね、アルザス・ワイン街道やグランクリュ街道を旅してみる・・・

ライター 平野いづみ

ストラスブール:ヨーロッパの十字路の新旧2つの顔

2007年に開通したTGV東線によりパリからの所要時間は約2時間10分。一部の便はストラスブールを経由してスイスと南部ドイツ方面に直通運転されている。パリから約500キロ離れた「ヨーロッパの十字路」に位置するこの街は、古くから交通の要衝として東は中欧、東欧、南北は北海、バルト海や地中海に向かって開かれていた。ドイツ語の「街道の街」が地名の語源で、メスと同様かつては神聖ローマ帝国に属していた。1697年フランス領に併合され、1944年、フランスにその帰属が最終的に決定するまで、独仏の狭間で大きく揺れ動いた歴史を持つ。そして現在は欧州議会、欧州評議会、欧州人権委員会が置かれ、ルクセンブルグやブリュッセルと並ぶEUの中枢都市となっている。

ストラスブールの旧市街は、ユネスコ世界遺産に指定されている。街のシンボル、ノートルダム大聖堂は、ヴォージュ山脈から切り出されたバラ色の砂岩によるロマネスクとゴシック様式が融合した傑作。ルーアンの大聖堂に次ぐフランスで2番目の高さを誇り、尖塔からヴォージュ山脈や黒い森を望める。必見は聖堂内の16世紀に造られた精巧な機械仕掛けの天文時計。可能であれば、鐘の音に合わせて全てのからくり人形が動き出すという12時30分にタイミングを合わせて見学するのがベスト。その他の見どころは、ライン川の支流ディル川に囲まれた中洲で、かつて漁師と皮なめし職人、粉屋の街だったというプティット・フランス。中世からルネッサンス時代に建造された漆喰の白壁と黒い木組みの建物が並んでいる。運河沿いを中心にそぞろ歩きに最適だが、夜、遊覧船に乗れば、落ち着いた佇まいの旧市街や大聖堂と現代的なヨーロッパ地区と、ライトアップされたストラスブールの新旧2つの顔を同時に楽しめる。


ストラスブール
ストラスブール 左上より(1)(2)(3),(4)
(2) (3)= © crta-zvandon

アルザス・ワイン街道を巡る

アルザス・ワインは他の地方のワインと異なり、リースリングやシルヴァレールなど合計7種類の葡萄の品種がAOC(原産地呼称統制)となっており、辛口のすっきりとした香りの高い白ワインが中心だ。ワイン街道はヴォージュ山脈とライン川に挟まれた、ストラスブールの西部マルレンハイムからミュールーズの西部タンまでが、南北約170キロに渡って広がっている。街道上には、リヴォーヴィレ、リクヴィル、カイゼルベルクなど、いずれも城壁に囲まれた童話から抜け出したような可愛い町や村が点在する。その風景はフランスの他の地方とは一風違い、むしろドイツのロマンチック街道を思わせる。ストラスブール、コルマールやミュールーズから1日あるいは半日のワイン街道ツアーが出ているので、限られた時間で効率よくワイン街道沿いの村々を訪れたい時には利用価値大。ヴォージュ山脈に聳えるオー・クニグスブルグ城に立ち寄るコースもある。また、ミュールーズに近いゲブヴィレの街に聖ドミニコ会修道院がある。自由見学のほか、毎週土・日の14時からクラシックを中心としたコンサートが開かれている。7/17から8/17の毎週金曜日19時から深夜まで、3Dを使った大規模なスペクタクルが行われるという。


アルザス
アルザス 左上より(1)(2)(3),(4)
(1) (2)= © crta-zvandon

古都ディジョンとグランクリュ街道

アルザス・ワイン街道の南の入り口ミュールーズからブルゴーニュ・ワイン街道の入り口ディジョンまで、TGVで約1時間5分。新線ローヌライン線の開通により、所要時間は従来の半分以下に短縮された。

ミュールーズ
ミュールーズ


14〜15世紀、ブルゴーニュ公国はフランス東部の他、現在のベルギー・オランダ、ドイツの西部に広がっており、ディジョンはその首都として繁栄していた。1477年、フランスに併合された後も多くの戦禍を受けたが、12世紀から15世紀に建造されたブルゴーニュ侯爵宮殿やノートルダム教会など、当時の栄華を伝える建物が数多く残っている。街の見どころは中心部に集中しているので、中世にタイムスリップしたような15世紀の木組みの家が並ぶヴェルリー通りや、17〜18世紀の中心街であったフォルジュ通りなど、観光ルートの道しるべ「金色のふくろう」の矢印をたどって散策してみよう。その中には、呼び鈴を押すと住人が扉を開けてくれ、中庭まで入れる現在は私邸となっている建物もある。
ブルゴーニュのワイン街道はディジョンの北東に位置するシャブリから、リヨンの北マコンに至る南北約250キロに延びている。約29500ヘクタールに及ぶブルゴーニュ・ワイン街道のうち25000ヘクタールはAOCの畑で、毎年約1億3600万本のワインが生産される。生産量はフランス全体の3%、AOCワイン全体では6.5%を占めるという。中でもディジョンからサントネーに至る約60キロ、38の村からなるコート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌ地区は「グランクリュ街道」と呼ばれており、ロマネ・コンティ、ニュイ・サンジョルジュやジュヴレ・シャンベルタンなど、愛好家垂涎の名醸ワインの畑ばかりが集まっている。ディジョンとボーヌから、いくつかのワイン蔵や畑を回る1日あるいは半日のミニバスによるガイドツア付きツアーが出ているので、試飲を楽しみたい人には利用価値が高いだろう。


ディジョン
ディジョン


そのグランクリュ街道の一面葡萄畑の中に忽然と現れるのが、シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョ。12世紀から15世紀に建てられたシトー会の修道院跡で、現在はワイン博物館として一般公開されている他、シュヴァリエ・デュ・タストヴァン(ブルゴーニュ利き酒騎士団)の本部となっている。毎年11月第3日曜、オスピス・ド・ボーヌで開かれるワイン・オークション前夜にこの城で盛大な晩餐会が開かれ、騎士称号の叙任式(入団式)が行われることでもよく知られている。これらの催しは、月曜の夜にムルソーで開かれる晩餐会と合わせて「栄光の3日間」と呼ばれている。

シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョ
シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョ

アルザスとブルゴーニュ地方のグルメガイド

アルザス地方の代表的な郷土料理として、シュークルートやアルザス風のピザ、タルト・フランべ。またマリー・アントワネットやロレーヌ公スタニスラフが大好物だった菓子クグロフやマルシェ・ド・ノエルの風物詩パンデピスなどがある。またこの地方では、パリではなかなか見つからない絵柄入り陶器製のクグロフの焼き型も手に入る。ふんわり、しっとりした舌触りの絶品クグロフをお土産にしたいなら、ティエリー・ミュロップがおすすめ。老舗パティスリーのネゲルやクリスチャン、ノートルダム大聖堂から徒歩圏内にある。「ジャムの妖精」として人気の高いクリスティーヌ・フェルベールの店はストラスブールの南約60キロ、ドイツ国境に近い小さな村ニ―デルモルシュヴィールにある。デュカスやトワグロにその品質を認められた、しっかりとした触感の手作りジャムはおみやげにピッタリ。ワイン街道巡りのツアーの中には、フェルベールの店に立ち寄るコースもあるようだ。


アルザス地方ガストロノミー
アルザス地方ガストロノミー (1)(2)(3)(4)
(2) = © estelle tschan (3) = © kuglof_carlo’s photo via getty image


ブルゴーニュ地方の特産物として、エスカルゴやマスタード、パンデピスなど。また、ディジョンにブティックを持つM.O.Fショコラチエ、ファブリス・ジロットのスイーツもぜひすすめたい。フルーツの香りが鮮烈なボンボン・ショコラのテロワール・ド・ブルゴーニュなどが代表作だが、長い余韻とバランスの良い繊細な味わいが特徴だ。


ブルゴーニュ地方のガストロノミー
ブルゴーニュ地方のガストロノミー (1)(2)(3)(4)
(2) (4)= © minamurra




取材協力:
フランス観光開発機構 :www.rendezvousenfrance.com
アルザス地方観光局  :www.tourisme-alsace.com
ストラスブール観光局 :www.otstrasbourg.fr
ブルゴーニュ地方観光局:www.bourgogne-tourisme.fr
ディジョン市観光局 :www.visitdijon.com

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