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【読プレ】世界遺産の巡礼路を往く、映画『星の旅人たち』

地球の歩き方編集部:K
「星の旅人たち」とは、キリスト教の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを訪れる巡礼者のこと。巡礼の途中で死んだ息子を悼み、その道を辿るトムと旅仲間の物語である・・・

「地球の歩き方」編集部プロデューサー K


ロセンバリェスの近くでダニエルは命を落とした
ひとり息子ダニエルの突然の死がトムの生き方を大きく変える。ダニエルが命を落とした場所は、スペイン側で最初の宿となるロセンバリェスの近くにあった

■サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の道
タイトルの『星の旅人たち』とは、キリスト教三大聖地のひとつサンティアゴ・デ・コンポステーラを訪れる巡礼者のことだ。キリストの十二使徒のひとり聖ヤコブ(サンティアゴ)の墓を詣でることが旅の目的である。

本作は、巡礼の途中で不慮の事故に遭い、亡くなった息子の遺志を継いで旅に出たアメリカ人トム・エイヴリーと3人の旅仲間の巡礼の物語である。

トムはカリフォルニアに暮らす眼科医。妻の死後、疎遠になっていたひとり息子のダニエルの訃報が突然届く。「世界を見たい」と旅を続けていたダニエルは、聖地サンディアゴ・デ・コンポーラに向かう巡礼の初日、ピレネーで嵐に巻き込まれて不慮の死を遂げていた。

フランスとスペインの国境の町サン・ジャン・ピエ・ド・ポーを訪れたトムはダニエルの亡骸と対面する。彼が残したバックパックの中には、彼の人生の足跡とも言える旅の思い出が詰まっていた。息子の旅を否定してきたトムだったが、旅先で微笑む自信に満ちたダニエルの写真を見て「僕の道に賛成しなくてもいいけど、勝手に判断しないで」と言ったダニエルの言葉の真意を理解する。トムは「ふたりの関係をやり直す」ために、荼毘に付された息子の遺灰をバックパックに納め、聖地巡礼の旅に出る。

だれもが心の傷を抱えて
だれもが心の傷を抱えて旅にでる。長い巡礼の果てに待っているものは…

■個性的な旅の道連れたちとの絆
巡礼者は経歴も信仰も世代も異なる人々であり、旅に出たその目的も人それぞれだ。トムは巡礼の途中で、個性的な旅の仲間を得る。(写真右から)減量のために巡礼の旅に出たオランダ人のヨスト、巡礼の終了とともに喫煙を止める誓いを立てたカナダ人女性サラ、スランプを抜け出すためにパリから巡礼の旅を始め、3カ月歩き続けているアイルランド人の作家ジャックとともに旅を進める。

陽気で人懐っこかったり、厭世的で敵意に満ちていたり、自意識過剰だったり、性格もさまざまな3人の旅仲間だが、息子を失ったトムと同様に、それぞれが心の傷を抱えていた。そんな彼らにとって、サンティアゴへの<道>は自分探しの旅であり、人生を見つめ直す機会なのだ。800キロにおよぶ長い巡礼路をともに歩むこと、母なるスペインの大地に癒され、素直に向き合えるようになる。そしていくつかの試練の後、4人の間には親密な絆さえ生まれる。

苦難の巡礼は続く
自分の人生観を押しつけ、息子ダニエルの生き方を理解しようとしてこなかったことを後悔するトム。川にバックパックを落としたり、盗難に遭ったりしながらもトムとダニエルの巡礼は続く…

■星の巡礼の目的地サンティアゴ
スペイン北西部のガリシア地方に位置するサンティアゴ・デ・コンポステーラはエルサレム、ローマと並びキリスト教三大聖地のひとつである。

サンチャゴは、ある夜、羊飼いの少年が野原で大空に輝く星を見たというイベリア半島のとある場所に、葬られたという。伝説によれば、サンチャゴのみならず、聖母マリアも、キリストの死後、間もなくそこへ行き、福音を伝え、人々をキリスト教に改宗させたという。その場所はコンポステーラ(星の野原)として知られるようになり、キリスト教世界の隅々から人々を引きよせる町へと発展したのだった。
(パウロ・コエーリョ著『星の巡礼』 翻訳:山川紘矢、山川亜希子 より)


サンティアゴ・デ・コンポステーラの campus stellae とは、「星の平原」という意味を持っている。夜に歩く巡礼者たちは、イベリア半島の西の果てに向かって流れる銀河を目印にして旅をした。スペイン語で天の川は「camino de Santiago(聖ヤコブへの道)」と呼ばれる。

4人の旅の道連れ
4人の旅の道連れ。それぞれが抱えた傷は、母なるスペインの大地で癒されていく

■父マーティン・シーン×息子エミリオ・エステヴェス
本作は、監督を務めたエミリオ・エステヴェスが、父マーティン・シーンのために書いた脚本である。『地獄の黙示録』や『地獄の逃避行』などの出演作がある一方で、家族を養うためにキャリアにはならない数多く映画やTVの仕事を受けてきた結果として誰もが認める名優となったマーティン・シーン。その彼を父として、俳優として、男として、人間として尊敬している監督エミリオ・エステヴェスが最高のステージを用意し、マーティンは完璧な演技でそれに応えた。マーティンは『星の旅人たち』のインタビューで「この30年間で一番の役。それを息子が書いてくれた。感謝している」と、語っている。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼は、フランスの女性監督コリーヌ・セローが『サン・ジャックへの道』(05)で描き、日本では2007年に公開されている(※注)。家族の絆や人と人とのふれあいを描き出した感動作であったが、本作も、映画を見終えた余韻のなかで、自分自身も巡礼をしたくなる作品である。

※注:
映画『サン・ジャックへの道』(サン・ジャックとはフランス語で聖ヤコブの意)では、フランスのル・ピュイからの1500キロの行程が描かれている。後半のサン・ジャン・ピエ・ド・ポーからは同じルートをたどっているが、主要なロケ地はピレネーを越えるまでのフランスがメインとなっている。
▼『地球の歩き方』編集部blogの記事「ストレス社会に生きる現代人のための人間賛歌 映画『サン・ジャックへの道』(2007年03月07日)」を見る


◆旅の誘い度★★★★


■作品DATA
原題:The Way
 アメリカ・スペイン合作/英語/128分監督:エミリオ・エステヴェス
製作:エミリオ・エステヴェス、フリオ・フェルナンデス、デビッド・アレクザニアン
脚本:エミリオ・エステヴェス
出演:マーティン・シーン、エミリオ・エステヴェス、デボラ・カーラ・アンガー、ヨリック・バン・バーヘニンゲン、ジェームズ・ネスビット、チェッキー・カリョ
後援:スペイン政府観光局 NPO法人日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会
配給:アルバトロス・フィルム
宣伝:アニープラネット
URL:映画『星の旅人たち』公式サイト

★2012年6月2日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか 全国順次ロードショー!
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応募締切:2012年6月18日午後11時59分
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