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続 ・ 幻の「ボルネオ国際マラソン」

『地球の走り方Travel & Run!』編集担当:山崎宏之
超弩級のアクシデント「大会延期」に見舞われても、歩は止めない。だって、僕は『地球の歩き方』だもん・・・

『地球の走り方Travel & Run!』編集担当:山崎宏之

前回、取材日記「幻の『ボルネオ国際マラソン』取材レポート」で書いたとおり、公式の「ボルネオ国際マラソン」は8月25日に延期となった。よって、今回の取材ではいくつかボルネオ島ならではの観光が楽しめる穴場に足を向けてみた。

ボルネオ国際マラソンが開催されるのは、ボルネオ島最大の都市コタ・キナバルである。アジアらしさを残しながら整備された現代都市なので、応援してくれる現地の方とのふれあいに個性はあるものの、マラソンコース自体に取り立てて特徴があるわけではない。せっかく、ボルネオ国際マラソンに参加するのなら、観光も楽しんでこの島ならではの魅力にどっぷり浸かり、身も心も「ボルネオ色」に染まろう。


キナバル山/チャイロツヤクワガタ
■左:ボルネオ島のシンボル的存在、キナバル山(標高 4,095m)
■右:雨宿りに来たチャイロツヤクワガタ

ボルネオ島は、少年の心を思い出させてくれる――。

豊かな森が雨に濡れた午後、訪れたのはコタ・キナバルから車で約1時間、クロッカーレンジ国立公園内の丘陵地にあるキパンディ・バタフライパーク KIPANDI BUTTERFLY PARK 。この園内には100種類以上の蝶が舞い、野生のランが咲き誇る。そして、ボルネオの森を歩くと出合える多種多様な“住民”と簡単にふれあうことができる。

ここで最も面白いイベントは、日没後に始まる。
「インセクト・ショー(昆虫ショー)」というそのイベント名を事前に聞いて、カブトムシが舞台でダンスを繰り広げるショーを想像したけれど、全く違うものだった。

ピンと張った白い布を明るいライトで照らし、そこに集まってくる昆虫を観察するという、この上なくシンプルなイベントなのだ。これだけの説明だと、面白さがまるで伝わらないと思う。しかし、そこに集まって来る虫の数と種類の多さと、その顔ぶれのインパクトが凄まじいので、昆虫好きでなくとも想定外の楽しさを味わえること請け合い。

集まった虫虫/モーレンカンプオオカブト
■左:日没後1時間くらいでかなりの数、集まる
■右:モーレンカンプオオカブトの雄々しい姿


「コンクリートジャングル」とも揶揄される大都会、東京で仕事をしていると、昆虫とふれあう機会がほとんどない。その暮らしのなかですっかり忘れていた昆虫を愛でる気持ちがここを訪れるとよみがえる。少年時代の心にあった「昆虫スイッチ」がONになるのだ。

ギミルさん/シルエットクイズ
■左:手のひらでクワガタを遊ばせるギミルさん
■右:シルエット当てクイズで仲間と盛り上がれること必至


案内してくれたのは、このパークに勤めるマレーシア人ガイドのシルヴェスター・ギミルさん(25)。昆虫好きが高じて、この仕事をしているという。数千種類の昆虫の名前と生態が、彼の頭のなかにインプットされているのだろう。次々と飛来しては布に止まる昆虫を指さして、その名前を尋ねると、即答してくれる。

布にしがみつく昆虫を手で捕まえるとき、彼はとても優しく扱う。虫もそれを分かってか、とてもおとなしく、されるがままだ。私が捕まえようとすると、あらぬ限りの力をふりしぼって抵抗を始めるから不思議なものである。

大きな虫から小さな虫まで、その姿や動きはさまざまで、顔を近づけて観察していると時間が経つのを忘れてしまう。小さい子どもも、大人も同じように夢中になれるイベントだ。

■Data

KIPANDI BUTTERFLY PARK
住所:KM36, Jalan Penampang-Tambunan, Moyog
TEL:(013) 873-9092
URL:kipandipark.com
営業時間:9:00〜16:00
定休日:年中無休
ツアー:ボルネオトレイル ツアーズ&トラベルなどが催行


ボルネオ島での観光は、生物の多様性を感じさせてくれる。昆虫だけではなく、滞在中に目にした植物も個性的なものが多かった。

ウツボカズラ/ムンガリス
■左:「食虫植物」のウツボカズラ
■右:樹高80mにもなるマメ科の巨木ムンガリス


バービッジア・スキゾケイラ/パフィオペディラム セントスイシン
■左:色鮮やかなバービッジア・スキゾケイラ
■右:エキセントリックな形状のランの品種パフィオペディラム セントスイシン


ボルネオ島に行ったら絶対見ておきたい植物がひとつある。
世界最大の花、ラフレシアだ。

ラフレシア(開花/つぼみ)
■左:開花したラフレシアはほのかにアンモニア臭がする
■右:つぼみ状態のラフレシア


最大の品種では、花の直径が97cmという記録があるこの大型の花は、葉と茎がない。養分は、他の植物に寄生して得ている。さらに、臭い匂いでハエをおびきよせて、ハエの身体に花粉を付着させ、受粉のために雄花と雌花の間を運ばせる。そのしたたかさと、どぎついルックスは、どこか恐ろしさすら感じてしまう。

ラフレシアは、育つまで9ヵ月もかかるのに、咲いている期間は約1週間と短い。よって、見られるのは「奇跡」とも言われている。ただ、現地では「ラフレシア開花情報網」のようなものがあり、旅行会社や政府観光局を訪ねると今どこで咲いているか情報を得ることができるので、見られる確率もそう低くはない。ボルネオ島を訪れたら、世界最大の花の生命力をとくと観察しよう。開花しているラフレシアの周囲は、パワースポットのようなオーラに包まれている。

「インセクト・ショー(昆虫ショー)」、「ラフレシア」ときて、最後に伝えたいのは、「オランウータンと会ったこと」。

オランウータン二態
■左:餌場で果物を食べる姿が見られることもある
■右:森を無邪気に飛び回る


おどろおどろしいラフレシアとは対極に存在する、愛らしさ満点のこの大型猿と会わずしてボルネオは語れない。

セピロックという町にあるオランウータンの保護施設で、オランウータンを間近に見ることができ大変人気がある。しかし、その町はコタ・キナバルから少し距離がある。

コタ・キナバルから車で約45分のパンタイ・ダリットという場所にあるリゾートホテル「シャングリ・ラ ラサリア リゾート コタキナバル」では、ホテルの敷地に隣接する森でオランウータンを保護している。ここならふらりと、日帰りも十分可能。1日に2回彼らの餌付けを見ることができる。

手足を器用に使いながら移動するオランウータンを、手を伸ばせば届きそうな距離から観察できるのは、なかなかの迫力。ときに人間と同じような愛くるしい仕草も見せる。

■Data

SHANGRI-LA'S RASA RIA RESORT, KOTA KINABALU
住所:Pantai Dalit, P.O.Box 600, 89208 Tuaran
TEL:(088) 792-888
URL:shangri-la.com/
催行時間:
 オランウータン見学プログラムは、
 10:00と14:00の1日2回(人数制限あり)
料金:RM65 (約2,000円)
 マレーシア リンギ レート: 1MYR=31.38円(2013.06.29現在)
▼最新の為替情報はこちらから
Exchange-Rates.org の マレーシア リンギ (MYR) から 日本 円 (JPY) に換算 のページ



2013年8月25日に延期となった『ボルネオ国際マラソン』の舞台は、何かと盛りだくさんだ。本レポートでは、「自然のなかのアクティビティ」としてのおすすめを3つ紹介した。まだまだボルネオ島の楽しみは、ここに書ききれないほどある。

次回は9月上旬、ボルネオ国際マラソンの実施結果とともに、あらためてボルネオ島の魅力をお伝えします。

■Data

ボルネオ国際マラソン

開催日:
 2013月8月25日(日)
開催地:
 マレーシア サバ州 コタ・キナバル
開催種目:
 10kmラン・ハーフマラソン・フルマラソン
参加資格:
 10kmランは10歳以上、ハーフマラソンは14歳以上、フルマラソンは18歳以上
参加者特典:
 参加記念Tシャツ・完走メダル、完走証明書(オンラインからダウンロード)、完走Tシャツ(フルマラソンのみ)
制限時間:
 10kmランは2時間、ハーフマラソンは3時間30分、フルマラソンは6時間30分。
URL:
 ボルネオ・インターナショナルマラソン 2013(日本語)
また、下記のサイトでは「ボルネオ国際マラソン」の情報ほか、最新のコタ・キナバル情報を入手できます。
 サバ州政府観光局 コタキナコ(日本語)

※今後、実施要項が変わる可能性がありますので、最新データは上記URLにてご確認ください。

『地球の走り方Travel & Run!』(地球の歩き方MOOK 2013->2014)

■書誌DATA

雑誌名:『地球の走り方Travel & Run!』(地球の歩き方MOOK 2013->2014)

発売日:2012年9月7日(金)

特 集:17大会のコースマップ+実走リポートのほか、マラソン大会の選び方、トレイル・ランニング入門などの記事を掲載
ホノルル、ゴールドコースト、台北、パリ、バンクーバー、ケープタウン、アムステルダム、ローザンヌ、サンフランシスコ・ナイキ・ウィメンズ、レゲエ(ジャマイカ)、エルサレムの11大会。国内マラソンは大阪、神戸、横浜、東京、名古屋、京都の6大会。合計17箇所すべてを実走取材。17大会のコースマップ+実走リポートのほか、マラソン大会の選び方、トレイル・ランニング入門などの記事を掲載。
※ボルネオ国際マラソンの記事は掲載されていません

定 価:980円(税込)

発 行:ダイヤモンド社

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