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スペイン編〜トゥロン〜
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クリスマスの伝統お菓子
スペイン編〜トゥロン〜

地球の歩き方編集部:欧羅巴三太


この時期クリスマスに向けて華やぐヨーロッパで、昔から愛されている定番のお菓子を集めてみました。第3弾はスペインのトゥロン(Turrón)をご紹介します・・・

地球の歩き方編集部:欧羅巴三太

クリスマスの伝統お菓子
今年も残すところわずかとなりました。大切な人との語らいに、がんばった自分へのご褒美に、甘いお菓子でひと息入れませんか? この時期クリスマスに向けて華やぐヨーロッパで、昔から愛されている定番のお菓子を集めてみました。
ヨーロッパのクリスマス伝統お菓子、第3弾はスペインのトゥロン(Turron)をご紹介します。■⇒第1弾 ドイツのシュトレン(Stollen)はこちら■⇒第2弾 ベルギーのスペキュロス(Speculoos)はこちら■⇒第4弾 フランスのトレーズ・ディセール・ド・プロヴァンス(13 desserts de Provence)はこちら■⇒第5弾 イタリアのゼルテン〜アルト・アディジェ風(Zelten dell'Alto Adige )はこちら■⇒第6弾 スロヴェニアのポプルトゥニク(Poprtnik)はこちらクリスマスの伝統お菓子
■⇒第7弾 イギリスのミンスパイ(Mince Pie)はこちら■⇒第8弾 イギリスのクリスマスプディング(Christmas Pudding)はこちら
クリスマスの伝統お菓子スペイン編〜トゥロン〜
太陽と情熱の国・スペインのクリスマスと聞いて、ちょっとイメージしづらい方も多いかもしれませんね。華やかな色彩とモダン&クラシックが調和する街並みにイルミネーションが飾られ、人々が毎年恒例のクリスマス宝くじ(Loteria de Navidad )を「もう買った?」と挨拶し出すと、クリスマスシーズンの到来です。ちなみにこの宝くじ、1812年に開始以来スペイン中で盛り上がり、今や賞金総額およそ25億ユーロ(日本円で3550億円相当!)というビッグスケールで、12月22日のクリスマス抽選会を誰もが心待ちにしています。
そんな冬でも熱いパッション健在なスペインっ子たちに人気のクリスマス定番お菓子は、トゥロン(Turron)と呼ばれる甘くて独特な食感が特徴のお菓子です。今ではありとあらゆるバリエーションが作られていますが、最もベーシックなものは、やわらかいTurron de Jijona(トゥロン・デ・ヒホーナ/写真上:うす茶色)とかたいTurron de Alicante(トゥロン・デ・アリカンテ/写真中:白地に粒アーモンド入り)の2種類です。
トゥロンの基本生地はアーモンドとはちみつ、さとう、卵白。やわらかタイプのヒホーナはアーモンドプードル(粉)を、ハードタイプのアリカンテは丸ごとアーモンドの粒をぎっしり入れて成形するため、前者はアーモンドの油脂でしっとり、後者はキャラメリゼされたはちみつとさとうにしっかりとアーモンドが絡んでがっちり、と異なる歯応えが楽しめます。
トゥロンの歴史は古く、16世紀に出された“ Manual de Mujeres”という書物にすでにその名が記載されていて、Turronの由来はラテン語のtorrere(焼く、火で温める)からとする説が有力です。イベリア半島へのイスラム勢力拡大とともに伝えられたとも、その後のレコンキスタ期から黄金のスペイン王国時代にはさらにイタリアとフランスにも伝播されたともいわれ、イタリアではトローネTurrone、フランスではヌガーNougatとして今に伝わっています。
 ヒホーナ、アリカンテともにイベリア半島東部、地中海に面したカタルーニャ地方の街の名から付けられていて、いずれもスペイン国内で品質保証を促進するための原産地呼称制度(D.O.)に登録されています。コスタ・ブランカ(白い海岸)と呼ばれる美しい海岸線沿いのリゾート地アリカンテから北へ内陸部に入ったヒホーナには、トゥロンの製造メーカー17社のうち7社の拠点があります。温暖で年間降水量が少ない地中海性気候がアーモンドの生育に適しているため、世界第2位の生産量を誇るスペインのアーモンドの中でも“女王”に例えられる最高品マルコナ種(よく見る先の尖った細長いものではなく、ころんと丸い種類です)が使われることで、香り高く油脂分の多い特長が活かされています。
今では通年手に入れることができるトゥロンですが、やはりクリスマス風物詩として根強い人気があり、スペイン国内では年間売上のうち約85パーセントがこのホリデーシーズンに売れているそうです。現地ではクリスマスディナーをたっぷりいただいたあと、濃いめのコーヒーや食後酒のリキュールと一緒にトゥロンを楽しみます。ちなみにやわらかタイプとハードタイプはそれぞれ3割ずつ売れていて、人気を二分しているみたいです。日本で言えばつぶ餡派とこし餡派といったところでしょうか?(ちょっとちがうか・・・)
スーパーなどでさまざまなメーカーのトゥロンを売っているので、各社食べ比べをしてみるのもおもしろいですし、旅のおみやげにもよろこばれるでしょう(ただしハードタイプのアリカンテがおすすめ。ヒホーナはアーモンドの油脂が溶けて染み出てしまうことが多いのでご注意を!)。さらに、老舗のトゥロン専門店でひと切れ単位で量り売りをしてもらうのも素敵な体験です。人気のお店は今時期、どこも上気した面持ちで順番を待つスペインっ子たちで大賑わい。里帰りのおみやげや、大家族で集まるディナーのためにと大量に買っていくお客さんたちも多く、次々と売れていくトゥロンの大きなバーがお店の厨房から補充されていくのも見ものです。
とっても甘くて濃厚なのに、ついつい手が伸びてしまう・・・一度食べたらその味の虜になること請け合いですよ!

■DATA
クリスマスの伝統お菓子スペイン編〜トゥロン〜

色とりどりのお菓子が華やかに飾られるショーウインドー。クリスマスの買い物でシーズン中は込み合うので、時間に余裕を持って出かけたい

老舗トゥロン専門店、カサ・ミラCasa Miraは1842年に創業し1855年にマドリッドにオープンした王室御用達ショップ。ヒホーナ出身の菓子職人Luis Mira氏が興し、時を経てクラシカルな内装と昔ながらの対面販売の量り売りがいい雰囲気を醸し出しています。
ヒホーナ、アルカンテほか数種類のトゥロンのほか、やはりスペインのクリスマスには欠かせないマサパンMazapan(アーモンド粉の練り菓子)やポルボロンPolvoron(アーモンド粉と小麦粉の焼き菓子。口中でほろりと崩れる間に“ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン”と3回唱えると幸せが訪れると言われています)なども売っています。マドリッドを象徴するシベーレス広場の、大地の女神シベーレスと2頭の獅子の像が描かれた白木の化粧箱も魅力的です。
カサ・ミラ
Casa Mira
San Jeronimo 30, MadridTEL +34 914 298 895 FAX +34 914 298 221
「地球の歩き方」ガイドブックシリーズなら・・・最新刊「ガイドブックA21 マドリッド&日帰りで行く世界遺産の町」にはトゥロンで有名な老舗Casa Miraのショップ紹介も収録しています。クリスマスマーケットが開催されるマドリッド市民憩いのマヨール広場ほか、新名所のグルメ市場も要チェックです!
「ガイドブック A22 バルセロナ&近郊の町とイビサ島・マヨルカ島」でも1775年創業の老舗でやはりトゥロンが名物のお店をご紹介しています☆
[2015年12月更新/2013年12月更新/2011年12月]

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