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【読プレ】キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展

「地球の歩き方」モンブラン・ノウランド

花譜(かふ)という言葉をご存知でしょうか。「四季の花を、咲く順序や分類に従って図示したもの」(広辞苑)、役割だけでいえば植物図鑑ですが、ここでは、王室や貴族からの指示で、学者が採集した植物を画家が描いた豪華な図集としましょう。

florilegium 【flɔːrɪˈliːdʒɪəm】:lavishly illustrated book on flowers.


さて、時は18世紀中葉。ヨーロッパ世界でイギリスはフランスとの植民地戦争に勝ち、産業革命を迎え工業化に邁進しています。海軍は太平洋―とりわけ南太平洋の進出が任務でした。この戦略を任されたのが、石炭運搬船の船乗りから海軍水夫に転じ、わずか2年で英国軍艦の航海長に出世した、ジェームズ・クックその人でした。

第1回航海(1768〜71年)
金星観測が目的という、ここで言うとおかしなテーマで軍艦エンデバー号を指揮しました。大西洋を南下して横断、南米大陸ホーン岬を周航し、そのまま太平洋を横断して西進、目的地であるタヒチに到着します。
この先が、物語風なのですが「秘密指令」があって、クック船長はそれを開封する。そこには、海軍本部の追加命令があり、「伝説の南方大陸(テラ・アウストラリス)を求めて南太平洋を探索せよ」と。天体観測を口実に他国を出し抜き、謎の新大陸を発見せよというのが命令で、巨万の富を手に入れるのがミッションなのでした。
果たして、ニュージーランドに到達(欧州人では2番目)、次いでオーストラリア大陸に足を踏み入れた初の欧州人となりました。そこで類を見ない貴重な植物標本を採取、博物学者たちはオーストラリアの動物相と植物相に関する最初の科学論文をものにしたのでした。この地がボタニー湾(植物学湾)と呼ぶのはこれが由来というわけです。その後、ニューギニア島を確認し凱旋帰国します。

第2回航海(1772〜75年)
オーストラリアよりさらに南に行け、南方大陸があるはずだ」という王立協会の命令。今回はアフリカ喜望峰経由で南インド洋を東進。当然、新大陸はなく、タスマン海を迷走、南アメリカ周りで帰国するわけですが、南極大陸そばまで南下します。途中、イースター島などにも上陸しました。

第3回航海(1776〜80年)
勅任艦長に出世し、海軍病院院長となり陸に上がったものの、「海が呼んでいる」とまた旅立つ。今回のミッションは北極海周りの航路を探せ。アフリカ沖からオーストラリアの南を経て、太平洋を北上、北米西海岸を伝って、アラスカとシベリアの切れ目(ベーリング海峡)から北極海を目指す旅。航海は難を極め、一行はひとまずハワイに引く。ここで島民とトラブルが起き亡くなってしまいました。1779年のこと、享年50歳でした。

今回、Bunkamura で開催される Bunkamura 25周年記念 キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展は、この第1回航海で採集された植物の花譜集が展示されます。

そこで次はジョゼフ・バンクスをご紹介します。
博物学者で植物学者。準男爵、王立協会会長という人。プラントハンターというものがぴったりでしょうが、実体はそれだけに非ず。25歳でエンデバー号の探検航海に科学班の一員として参加するのですが、いわゆる貴族あるいはセレブリティ。航海の推進者である海相サンドイッチ伯爵とは幼なじみで、私費で1万ポンドを出したという御仁。第2回航海も行く気満々だったのですが、従者(ホルン奏者もいた!)を多く乗せろ、乗せられないということで喧嘩別れというのがなにか可笑しい。ニュージーランドおよびオーストラリアに上陸した最初のフリーメーソンというのも彼だそうです。ちなみに、海相サンドイッチ伯爵。カード好きで、一時もゲーム卓から離れたくない、片手で食べられる食事を、というあの逸話の主人公です。

もう1人、名と業績を知るべき人がいます。シドニー・パーキンソン。博物画家で、バンクスによって記録画家として雇われて航海に参加しました。学者たちが集めまくった数えきれない動植物の博物画を描きました。巧みな絵描きさんであっても、士官でも貴族でもないので、異郷の尋常でない環境で絵を描きまくったに違いありません。伝記によるとジャワ島沖で赤痢にかかり(マラリア罹災説あり)船上で没したとの由。ただ、バンクスが彼の親族に多くの報酬を払ったとか、海鳥の名に Procellaria parkinsoni と献名されたり、オーストラリアで肖像が記念切手として発行(1986年)されたりなど、遺した業績に対して、当時の人もいまの人も尊敬の念を持って接するアーティストであります。

今回展示される『バンクス花譜集』は、航海の成果を出版すべく準備していた銅版を用いて刷られたものです。
本展覧会では、全743点の中から厳選された約120点の美しい銅版画が、クックの関連資料や太平洋地域の民族資料などと併せて展示されるそうです。

船乗りと学者、画家が、船出に何を思ったか、荒れる大海揺れる船中で何を念じたか、晴れて得た賞賛と無念の臨終なども思いながら、綺麗で精密な絵を愛でるのはいかがでしょうか。

テスペシア・ポプルネア

《テスペシア・ポプルネア》 『バンクス花譜集』より(ソサエティ・アイランズ) エングレーヴィング Bunkamuraザ・ミュージアム収蔵
©Alecto Historical Editions Ltd / The Trustees of the Natural History Museum, London

クリアントゥス・プニケウス

 《クリアントゥス・プニケウス》 『バンクス花譜集』より(ニュージーランド) エングレーヴィング Bunkamuraザ・ミュージアム収蔵
©Alecto Historical Editions Ltd / The Trustees of the Natural History Museum, London

クレロデンドルム・パニクラートゥム

《クレロデンドルム・パニクラートゥム》 『バンクス花譜集』より(ジャワ) エングレーヴィング Bunkamuraザ・ミュージアム収蔵
©Alecto Historical Editions Ltd / The Trustees of the Natural History Museum, London

バンクシア・セラータ

《バンクシア・セラータ》 『バンクス花譜集』より(オーストラリア) エングレーヴィング Bunkamuraザ・ミュージアム収蔵
©Alecto Historical Editions Ltd / The Trustees of the Natural History Museum, London

エンデヴァー号レプリカ

エンデヴァー号レプリカ(オーストラリア国立海事博物館にて撮影) Courtesy Australian National Maritime Museum

■Bunkamura 25周年記念
キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展


航海の滞在地の中から、タヒチ島を中心としたソサエティ・アイランズ、ニュージーランド、オーストラリア、ジャワの4つを紹介しています

開催期間
2014年12月23日(火・祝)〜2015年3月1日(日)
ただし、元日と1月26日(月)は休館

開館時間
10:00〜19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで
(入館は20:30まで)

会場
Bunkamura ザ・ミュージアム

交通案内
渋谷駅から徒歩8分、井の頭線神泉駅から徒歩6分

主催
Bunkamura、読売新聞社
協賛・協力等
[協賛]
株式会社西原衛生工業所
[後援]
オーストラリア大使館、ニュージーランド大使館、ブリティッシュ・カウンシル
[協力]
オーストラリア国立植物園、オーストラリア国立海事博物館、ロンドン自然史博物館、国立民族学博物館、カンタス航空、ヤマトロジスティクス株式会社、東急グループ

お問合せ
03-5777-8600(ハローダイヤル)
URL
「キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展」特集ページ

料金
【前売券】(10月18日〜12月22日に販売)
一般 1,100円/大学・高校生 700円/中学・小学生 400円
【当日券】
一般 1,300円/大学・高校生 900円/中学・小学生 600円
■読者プレゼント

『地球の歩き方』愛読者のために、当「キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展」(東京渋谷・Bunkamura ザ・ミュージアム)のご招待券をプレゼントします。

招待数:2枚5組10名様

締め切り:11月29日(土曜日)まで

ご応募は、こちらキャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展招待券プレゼント 応募フォーム

当選者には、郵送する住所をお伺いするメールをお届けします

※招待券の発送は12月上旬以降になります(予定)
(「11月下旬以降」を改めました)

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