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ナチュラルな美食の宝庫ウェールズ(英国の食はマズくない!)

ライター:平山喜代江
豊かな自然が育む質の高い食材の宝庫―ウェールズ。今年も食の展示会 FOODEX JAPAN 2015 から、新しいプロダクトをご紹介いたします・・・

ライター:平山喜代江

昨年、『英国の食はマズくない!ウェールズのピュアな環境が生み出すおいしい食材』(『地球の歩き方』取材&日記ブログ 2014年3月12日)の記事でウェールズの食についてお伝えしましたが、今年も3月3日〜6日に開催された食の展示会 FOODEX JAPAN 2015 から、新しいプロダクトに注目してみたいと思います。


FOODEX JAPAN 2015のウェールズのブース。今年は昨年の倍のスペースになった


英国の西部に位置するウェールズは、イングランドとは異なるケルトの伝統が息づく独特の文化があります。ウェールズ政府食品部次長のデイビッド・モリスさんは「自然豊かな丘陵地のウェールズには質の高い食の伝統があり、食文化も音楽や言語と同様にウェールズの文化のひとつ」と話します。

特にここ10年で生産者たちは化学添加物に頼らない“ナチュラルプロダクト”にこだわるようになったというのは、コンサルタントのデイビッド・ロイドさん。「ウェールズの天候や土地が牧草地に適しているため、自然と乳製品や肉の質が高くなる。チーズなどの加工品からケーキやビールまで全てナチュラルな原料からていねいに作られることが製品の品質にもつながっています」。これらウェールズの食の質とおいしさを証明するのがEUの品質認証で、ウェリッシュビーフとラムはシチリア産ブラッドオレンジと同じようにEUの「地理的表示保護(PGI)」を、アングルシーのシーソルトは「原産地呼称保護(PDO)」を受け、産地の名前を製品名にすることが許されているのです。


英国最北西のアングルシーで採れるブルーロブスターは最高級食材

ウェールズ政府は自国の食ビジネスの拡大に熱心ですが、一方で、日本の企業の誘致もしており、実際にカルビーが2014年にウェールズに現地法人を設立、今年から現地生産を始めています。日本食はウェールズでも人気があり、寿司などの典型的な料理だけでなく、お菓子にまで人気が広がっているそうです。日本などの生産では足りないため、日本の食品メーカーにとってもヨーロッパに生産拠点を作るのはメリットとなり、高品質な食品製造を保証しているウェールズが最適な場所というわけです。日本とウェールズ、食を通じた交流がますます広まりそうです。


ウェールズ政府のデイビッド・モリスさん(右)とコンサルタントのデイビッド・ロイドさん(左)


さて、今回のFOODEXに初出品されていたものから、ウェールズに行ったときに食べたいものをご紹介。

まずはウェールズを代表するお菓子のウェルシュケーキ。鉄板で焼いた、スコーンとビスケットの中間のような素朴なケーキで、ウェールズの人にとっては、家族との思い出につながる、伝統菓子です。バターやジャムを付けて食べますが、冷めてもおいしく、英国ではスーパーでも売っています。そこでおすすめのメーカーが数々の受賞歴を誇るタン・カステル社。ウェールズ語の社名 Tan Y Castell は城のたもとという意味で、元々農家だったポール・ミアさんが作るお菓子が評判となったことから菓子メーカーとなった会社です。バラブリスというドライフルーツやマーマレードが入ったバターを使わない伝統的なケーキも作っていて、こちらもスーパーで買えますので、英国に行った際にはぜひお試しを。いずれも、紅茶によく合います。


タン・カステル社のウェルシュケーキ。粉とレーズンの素朴な味でハロッズでのトップセラー賞はじめ各種の賞を受けている


そして注目したいのがチーズ。ウェールズにはチェダーチーズとビールをベースにした「ウェリッシュレアビット」という名物のチーズトーストがあるのですが、それだけチーズは身近な食材です。


スノードニア・チーズ社のチーズはワックスでしっかりコーティング

スノードニア・チーズ社は熟成したチェダーチーズにフレーバーを付けたチーズを販売。砂糖漬けショウガや、ピリっと辛いチリ、ガーリックとハーブなどをリッチなチェダーに練り込んだチーズは、お酒のお供に最高です。同社のチーズはもともとファーマーズマーケットで売っていたのが人気を呼び、デリや食材店で売られるようになり、ついには国内外のさまざまな賞を受賞するまでになりました。現在ブリティッシュエアウエイズやシンガポール航空でも出されるほか、ハービーニコルスなどのデパート、スーパーのウエイトローズやセインツベリーなどでも買えます。


カウズケナース・チーズ社のゴールデンケナース(中)とカウズクリフ(左)

ロイヤルファミリーも大好きなメーカーがカウズケナース・チーズ。西南部の海岸地域で育った牛の生乳を使い、撹拌から成形まで手作業で作られます。なかでもウオッシュタイプのセミソフトチーズ、ゴールデンケナースはチャールズ皇太子のお気に入りで、英国のチーズ品評会で最高賞も受賞した品。濃厚でクリーミーな味は赤ワインとの相性抜群です。さらにハードチーズのカウズクリフは FOODEX に訪れたソムリエが「このチーズはフランスやイタリアに劣らず、違う次元で勝っている。香りとこくとうまさがある」といったチーズで、カウズケナースにしか作れない味となっています。


プラス・ファーム社のフローズンヨーグルトは英国女王賞も受賞


また、世界的に人気のクラフトビールですが、ウェールズ産の注目はポースマドッグにあるパープルムースブリュワリー。コクがあるのに軽い飲み口で、こちらもビール界のさまざまな賞を取っていて、英国 No.2 のビールといわれているそうです。これらこだわりの食の作り手の多くは家族経営の会社です。元ネスレで働き、今はコンサルタントをしているダビド・デイビスさんに何がウェールズの食のクオリティを高めているのかたずねると、「ウェールズの作り手は情熱があって、みな自分たちの仕事に誇りを持っている」ということでした。


パープルムース・ブルワリー社のビール。今年2月にはダークエールDark Side of the Moose が伝統的なエールビールを守る組織CAMRAによるリアルエールの銀賞を受賞


これらウェールズの食の魅力が知られるようになり、今では「国内外からウェールズを訪れる人の目的に“食”がある」(ウェールズ政府のモリスさん)そうで、各地でフードフェスティバルも開催されています。なかでも人気があるのは、毎年20万人以上が訪れる食と農のイベント、7月のロイヤルウェルシュショーとアベガバニーで9月に行われるフードフェスティバル。ウェールズに行くときには、これらの時期に合わせると何倍も楽しめそうです。また、カーディフには昔の街並を再現したセント・ファーガンス国立歴史博物館があり、ここには前回紹介したバーツビスケット&ケーキ社の創業者が鉱山で働く人たちのために毎日パンを焼いていた時代の店もあって、当時のベーカリーの様子が見られます。次の英国旅では、「食」をテーマにウェールズを旅してみるのはいかがでしょうか。


バーツビスケット&ケーキ社の3代目エドワード・バーツさん。自社製品の前で


●リジーズ・グラノーラよりプレゼント情報!

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ザクザクした食感で噛むほどに味わいがあるリジーズ・グラノーラ。ナチュラル素材で作られ、おいしいとヘルシーを両立

ウェールズを舞台にした4月4日公開の映画『パレードへようこそ』では、4月5日(日)シネスイッチ銀座で初回に来場する先着50名にリジーズ・グラノーラをプレゼント。この映画は、ストライキ中の炭鉱労働者支援に立ち上がったロンドンのゲイとレズビアンの活動家とウェールズの炭鉱労働者の交流を描いた泣けて笑えるハートウォーミングなお話です(実話)。

■作品DATA
『パレードへようこそ』

原題:Pride(イギリス、2014年、120分)
監督:マシュー・ワーカス
脚本:ステファン・ベレズフォード
出演:ビル・ナイ、イメルダ・スタウントン、ドミニク・ウェスト
配給:セテラ・インターナショナル

URL:『パレードへようこそ』公式ホームページ
あらすじ:
1984年、不況に揺れるイギリス。サッチャー首相が発表した炭坑閉鎖案に抗議するストライキが続いていた。ロンドンに暮らすマークは、その様子をニュースで見て、炭坑労働者とその家族を支援するために、ゲイの仲間たちと募金活動をしようと思いつく。ゲイの敵はサッチャーと警官。つまり僕たちと同じだ、と友人のマイクを強引に誘い、行進しながらさっそく募金を呼びかけるのだった...

★4月4日(土)シネスイッチ銀座ほか 全国順次公開


●ウェールズの代表的なフードフェスティバル
・ロイヤルウェルシュショー
7月20日〜23日にスランエルエズで開催されるヨーロッパ最大の食と農業のイベントで、2014年は23万人以上が来場。
URL:http://www.rwas.co.uk

・アベガバニー・フードフェスティバル
9月19日〜20日 200の食ブースが一堂に集まり、3万人が参加。テイスティングから料理デモなど各種の食イベントも開催。
URL:http://www.abergavennyfoodfestival.com

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