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日本馬が残した伝説とファッショナブルなカーニバル
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南半球最大のG1レース、メルボルンカップ
日本馬が残した伝説とファッショナブルなカーニバル

ライター 平山喜代江
全豪オープンテニスやF1のみならず南半球最大の競馬も開かれる街 メルボルン。今回その大会を運営する世界最大の会員制競馬クラブ来日。その魅力をお伝えします・・・

ライター 平山喜代江

全豪オープンテニスやF1が開催される、というだけでも希有なのに、メルボルンではさらに、南半球最大の競馬メルボルンカップも行われています。しかも会場のフレミントン競馬場は街の中心から10分という近さにあります。

このほど、メルボルンカップを運営する、世界最大の会員制競馬クラブであるビクトリアレーシングクラブ(VRC)が優勝カップを持って来日、その魅力を伝えに来てくれました。


11月のベストシーズンに開催されるメルボルンカップ
The Race That Stops A Nationが俗称 (© Tourism Victoria)

メルボルンカップは、毎年11月第1火曜に開催される、規模も賞金も南半球最大のG1レース。この日ビクトリア州は祝日で会社も学校もお休みになります。「前日には道路が通行止めになり、出走馬の調教師や騎手が参加するパレードが行われます。メルボルンカップの間、国が止まると言われますが、全国民がレースを見るので本当に動きが止まるのです。スポーツというより文化行事です」と説明するのはVRC取締役のニール・ウイルソン氏。このメルボルンカップを中心に競馬の祭典が行われる8日間を「メルボルンカップ・カーニバル」と呼び、8つのG1レースが行われます。2014年にはこの期間に33万人が来場、うち6万9000人以上が観光客だったそうです。


VRCの取締役、ニール・ウィリアム氏。ICT企業のCEOでもある

メルボルンカップの初開催は1861年。ちょうどビクトリア州はゴールドラッシュのまっただ中で人口が急増中でした。1880年代の人口29万人の時代に、10万人もの人がフレミントン競馬場に集ったといいます。現在のように11月の第1火曜日開催になったのは1875年。以来、その伝統が今に受け継がれています。賞金も豪華で、VRCの上級ツーリズム・国際開発部長リサ・パトローニさんは、「賞金は600豪ドル(約6億円)と、ハンデ戦の3200mレースとしては世界最高で、世界中の馬主、調教師、騎手にとって憧れの賞になっている」といいます。


「メルボルンカップはライフスタイルの一部」というVRCのリサ・パトローニさん

2006年に日本調教馬のデルタブルースとポップロックが 1、2着を独占したのはもはや語り草。その2頭の馬主、ノーザンファーム代表吉田勝己氏は以下のように振り返ります。「メルボルンカップはとにかく賞金がすごい。アイポッパーが前年に出走した経験を活かし、絶対に勝とうと思い、調整のために2馬持って行った。また、岩田康誠騎手は海外が初めてで、事前のレースにも乗せてもらったが本当に下手だった。もう何も考えずにスタート切ったら叩いて前に行けと。そうすれば邪魔されないと話しました」。そして、2頭が先頭でゴールに飛び込んできたのでした。さらに、メルボルンカップの雰囲気について、「男性はスーツを着て、女性は帽子をかぶり、みんな朝から酒を飲んでいる(笑)。街中の何百万の人が何日もパーティをしている感じで驚いた」と語っています。


メルボルンカップの優勝者に授与されるトロフィー。18金で、1670万円相当

デルタブルースは引退後、故郷の北海道苫小牧市のノーザンホースパークに帰りました。今はそこで、「スタッフのジャンプ練習につきあったり、観光客の前でジャンプしたり。試合にも出ています。種馬にはなれなかったが、幸せな余生を送っています」(吉田氏)。メルボルンカップで伝説を作ったデルタブルースはオーストラリアではとても有名で、今回、来日したVRCのスタッフはこの伝説の優勝馬に会いに行ったそうです。


目の前で見る競馬は迫力満点! ※注:写真は東京競馬場

出走する馬と、観に行く観客と、もうひとつの主役が帽子。英国のロイヤルアスコットでは変わった帽子がニュースになりますが、メルボルンカップもまさに帽子の祭典。大輪の花のような帽子があふれ、女性はファッションで華やかさを競います。南半球最大の屋外ファッションショー『マイヤー・ファッション・オン・ザ・フィールド』も開催され、VRCのウィルソン氏によると「カーニバル期間に来場する33万人の半数は女性」なのだそう。もともと女性ファンに競馬に来てもらうために1962年に始めたショーで、1965年には英国人モデルのジーン・シュリンプトンが膝の出るミニスカートで現れて話題になり、ファッションが注目されるきっかけに。国内外のセレブも姿を見せ、過去にはダイアナ妃、サラ・ジェシカ・パーカー、パリス・ヒルトンなども訪れています。


真ん中が笑顔の素敵な帽子デザイナーのキム・フレッチャーさん。赤がお似合い

オーストラリアを代表する帽子デザイナーのキム・フレッチャーさんによると、昨年のメルボルンカップで、売れた帽子の数は何と7万5000個。その数だけでも、いかに帽子が重要なアイテムかわかります。フレッチャーさんに帽子のトレンドを聞いてみました。「最近はつばの広い伝統的なスタイルが戻りつつあります。また、イングランドはクラシックなスタイルを好み、オーストラリアの女性は冒険的で、人と違うものを求めますし、国によってテイストが違うので、それに合わせて作ります」。


フレッチャーさんのデザインした帽子の数々。カラフルでエレガント

昨年は日本から4頭が出走していますが、今年もメルボルンカップに日本の馬が走ることになれば、注目度も倍増です。吉田氏は、「これまでは検疫の問題で行けなかったが、今年はそれが解決された」と話しており、日本馬の出走に期待がかかります。さらに、11月はメルボルンのベストシーズン。「競馬のほかにも、ファッション、フード&ワインなどさまざまなカルチャーが楽しめる時期」(ウィルソン氏)。華やいだ雰囲気に包まれたメルボルンカップ・カーニバルの会場に足を踏み入れれば、競馬に対するイメージが100%変わるはず。競馬ファンから一般のおしゃれ好きまでが楽しめるイベントなのです。


東京競馬場6月6日のメインレースはビクトリアレーシングクラブの冠名が!


メルボルンカップ・カーニバル公式サイト

今年のカーニバル開催は10月31日から11月7日、レースの開催は以下の4日。

◎10月31日 AAMI ビクトリア・ダービー・デー
4つのG1を含む9レースがあり、メインは2500mのダービーで、競馬ファンには見逃せない日。ファッションコンテストも初日で、女性は白と黒が基調の服を着るのが伝統で、公式の花は矢車草

◎11月3日 エミレーツ・メルボルンカップ・デー
この日だけで10万人が訪れるカーニバル期間のハイライト。午後3時にオーストラリア最高額の賞金がかかったメルボルンカップに、帽子と襟元の黄色いバラが必須アイテム

◎11月5日 クラウンオークス・デー
100万豪ドルのG1レースのほか、「マイヤー・ファッションズ・オン・ザ・フィールド」コンテストが開催、全国レースウェア優勝者が発表。この日はピンクのバラが必須

◎11月7日 エミレーツ・ステークス・デー
賞金100万豪ドルの1600mのエミレーツステークスと1200mのダーリークラシックスとG1レースを2開催。ファミリー向けのイベントも多く、家族一緒に楽しめる。この日の花は赤いバラ


●フレミントン競馬場へのアクセス:
レース開催日のみ電車が運行、フリンダース・ストリート駅から10分、サザンクロス駅からは14分でフレミントン・レースコース駅。トラムはフリンダース・ストリートとエリザベス・ストリートの角から57番のトラムに乗り24分、Stop30で下車。

参考リンク
●2006年のメルボルンカップ(動画)
この1-2フィニッシュは何度見ても感動的です
YouTube 「2006 Melbourne Cup」

●2011年ダービーデーの様子(動画)
カーニバルの雰囲気がわかる
YouTube「2011 AAMI Victoria Derby Day Highlights - Melbourne Cup Carnival at Flemington Racecourse」

●個人向けにチケットを手配するワールドスポーツコミュニティ
home > 競馬
競馬はじめ、サッカーやテニスなど海外スポーツの「チケット」だけの手配をしてくれ、個人旅行者に断然おすすめ

●帽子デザイナーのキム・フレッチャーさんのサイトwww.kimfletcher.com.au


折り紙をコンセプトにフレッチャーさんがデザインした帽子

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