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出版記念スペシャル対談
プロが語る南極ツアーの魅力とは? 後編
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「GEM STONE 南極大陸完全旅行ガイド」
出版記念スペシャル対談
プロが語る南極ツアーの魅力とは? 後編

「地球の歩き方」マーケティングプロデューサー 茂藤泰彦
「GEM STONE 南極大陸 完全旅行ガイド」の出版記念対談。後編はツアーとしての南極旅行の楽しみ方、その選び方を伺いました・・・

「地球の歩き方」マーケティングプロデューサー 茂藤泰彦

Part7
~船内での楽しみ方~


(茂藤)
武居さんは、今回のクルーズで船内での楽しみとか、何かありましたか?

(武居)
楽しみですか。最初はすごく不安だったんですよね。同室になる方は外国人だと案内されていましたので。それで10日間は辛いなと思っていましたが、前泊のウシュアイアのホテルで、彼と顔会わせすると、不安はすべて吹っ飛びました。南極に行くという共通の目的があったことが大きかったですね。



© Taizo Takei All Rights Reserved.


(茂藤)
ちなみにどちらの国籍の方ですか?

(武居)
イギリス人の30半ばくらいのけっこう若い人でした。最初、英語にする、スペイン語にすると言われて日本語にしてくれって言うと笑われて。名刺をもらうと、彼はロンドンで旅行会社の南米セクションに勤務していて、南米のスペシャリストでした。私も南米を旅していたので、話は合いましたね。
私が食事の時なんかもよく写真を撮っていたので、その内、他のメンバーが、これも撮れ、あれも撮れと言って和気あいあいになりましたね。当初、俺は写真は嫌だと言っていた人もいたんですが、最後、船内で写真コンテストをやった際、彼の写真が皆から拍手されて賞を取ったものですから、よかったじゃないかといったら、けっこう喜んでいましたね。
この船にはプロのカメラマンが乗っていて、船内では写真講座なんかもあるんですよ。帰りの船の中で、写真コンテストと俳句コンテストがあって、俳句は日本の俳句で、これを英語で詠むんですよ。自分が旅で感じた感想なんかを詠むんです。動物とか風景とかのテーマがあって、皆で見せ合って、ワァーと拍手して。


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(茂藤)
やっぱり仲間意識ができますね。

(武居)
そうですね。すごくできます。

(茂藤)
中国人など英語圏以外の方なんかも問題なく交流できたんですか?

(武居)
もちろんです。テーブルで毎日一緒でしたから。


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(茂藤)
このツアーの参加者は何人だったんですか?

(武居)
100人くらい。

(茂藤)
食事はどのように食べられたのですか?

(武居)
7~8人のテーブルで食べますね。朝、昼はバイキング。夜はフルサービスです。食事は豪華で美味しいですよ。

(茂藤)
他にラグジュアリーなサービスはありましたか?

(武居)
あります。もうすべて。食事はもちろんのこと、外から帰ると、入口でホットチョコレートが出てきたりとか。ホットワインが出てきた時は、ドイツ人が喜んじゃって、こんなサービスしてくれるの~って。船自体の内装も豪華でしたね。

(茂藤)
英語で不便はありませんでしたか?

(武居)
言葉は話せるに越したことはないですが、かならず事前にブリーフィングがあって、大事なことはちゃんと映像で説明してくれるので、問題はありません。毎日、その日のプログラムが貼りだされるので、間違う人はまずいないでしょうね。


Part8
~監修者としての感想~


(茂藤)
田島さんはこの本を監修されましたが、何か感想はございますか?

(田島)
この本が1冊あれば、一人旅でも安心だと思いますね。私の会社でもツアー参加者に冊子を渡しているんですが、ここまでのものはなかなかできないんですよ。一番良いなと思ったのは、地図ですね。日本語で書いてある点、英語が併記されている点も便利です。地図を持って、操舵室に行って、船長に今何処にいるのって、明日は何処行くのって、今まで何処に行ってたのって、マーカーして線を引きながら、尋ねることもできます。ツアー参加者は、現地で地図を貰えるんですけど、全部英語で書かれているので、分からないところもありますが、この本があるとハンディーだし、すごく助かるなって思います。
一日一日がどうなるのかっていうのが良く分かる。非常に細かく書かれている。もちろん、ペンギンの種類であるとか、クジラの種類であるとか、そういったことまで書かれているのがとっても有難い。

(茂藤)
たとえブリーフィングが英語であっても、この本があれば、いろいろと想像して、言ってることが理解できる。

(田島)
もっとページがあれば、歴史のことを書いて欲しかったですね。日本人って、探検家にご縁がないっていうか、学校でも教えてもらえない、昔も今も。もっと日本人の探検家のことを知ってもらい、刺激を受けてもらうことが大切だと思います。日本人の探検家って、意外と海外でも知られていなくて。白瀬中尉がアムンセン、スコットと同じ時期に南極点に向かっていたってことが日本人にとって誇りでもあるんです。
南極ツアーでは、世界中から参加者が集まってきますので、その中で、日本人であることを意識するようになりますし、国民性というのもあらわれます。外国の方が日本に興味を持って質問してきた場合、そういう面でもコミュニケーションのネタになります。南極に行くのであれば、この本は必需品ですね。とにかく写真が素晴らしいんで、これで南極の魅力が充分伝わると思います。






Part9
~リーズナブルなツアーを見つける裏ワザ~


(茂藤)
実際に南極ツアーに申し込まれている方ってどんな方なんですか?

(田島)
海外旅行が初めてという方もいらっしゃいます。その方は30代でしたが・・・。世界各国を周っていらっしゃる方ももちろんいますし、7大陸の最後に南極大陸に行かれる方もいらっしゃいます。でも、新婚旅行の方が多いように思います。

(武居)
実際、私が参加したツアーでもアメリカ人の新婚カップルがいましたね。

(田島)
かなりいますよ。新婚旅行で南極に行ったら、もう二度と別かれられない。成田離婚なんてありえない。強烈な体験を共有する訳ですから、絶対に別かれられない。絆が深まりますから。新婚旅行で南極点に行かれた方もいらっしゃいましたね。2人で1000万円もかけて。中高年で、会社をリタイアされた方もいらっしゃいます。

(茂藤)
高齢者の方はどのくらいまで参加できるんですか?

(武居)
けっこういましたね。70代の方もたくさんいました。全体的には、若い人から年配の方まで、いろいろです。

(田島)
ファミリーや3世代で参加されいる方もいらっしゃいますね。30代、40代の方でも、お金持ちというよりも、南極に行くために、お金を貯めたという方が多いようです。でも、南極半島に行くのであれば、航空券も含め、トータルで100万くらいで行けますよ。時々、セール価格も出てますので、こまめにトライウエルインターナショナルのホームページをチェック頂ければ、お安いツアーも出ています。若い方でもコツコツお金を貯めれば、南極に行けるんですよ。


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(茂藤)
トライウエルインターナショナルさんのホームページにたびたび出ている訳ですね。

(田島)
稀に40万円台のツアーも出ていますので、おトク感はすごくあると思います。常にみてれば、掘り出し物は必ずあります。10年くらい前までは、掘り出し物は全くなかったんですね。世界的には南極ツアーのピークが2007-2008年だったんですが、その当時は年間4万6000人が南極に行かれてたんですが、それから少し減っているのが現状です。だから値下げも時々あるということですが、今は3万1000人くらいですね。その内、日本人は1000人弱ですが、南極ツアーのことを知らないだけであって、知って頂ければ、日本人も相当増えると思います。
潜在的なお客さんはかなりいます。そんなに体力が必要な訳ではありません。ご自分の体力に合わせて参加できますので、年齢は問いません。80代の方でも参加可能です。女性の一人旅もたくさんいらっしゃいます。そういった面では、まさにこれからの旅ですね。

(田島)
1年半くらい前から予約ができる。もちろん早割なんかもありますので、早く申し込まないと、キャビンがなくなっていくというのが現実です。南極に行くには環境省への届出も必要ですので、忘れないでくださいね。

(茂藤)
最後、お二人の好きな言葉を聞かせてください。

(武居)
僕の場合、「写真は記録なり」です。

(田島)
第一次越冬隊員のタロ、ジロの犬ぞりの担当者である菊池徹先生の晩年の言葉。「南極は、限られた人だけが行く場所ではなく、誰でも開かれるべき地域になる。この場所をやりなさい。そして誰もやらなかったことをやること」ですね。私がこの仕事を始めるきっかとなった言葉でもあります。
これからの南極は本当に一般の人たちにも開かれた大陸になっていくと思うんですよね。自然を壊しさえしなければ、いろんなことができる。南極は大きな大陸ですから、思う存分遊びたいと。遊ぶ夢をそこに持っていって、夢をかなえてもらいたい。私は夢を叶える手助けをしたいなと考えています。


番外編
~カメラマンから見た南極~


(茂藤)
武居さんはカメラマンとして世界中を旅されてきた訳ですが、カメラマンとして南極はどうでしたか?

(武居)
特別感ですか?やはり氷河、海、ペンギンですかね。この本の表紙に使われている写真を撮った時ですが、この時はそれほど印象なかったんですけど、本当に周りに何も写ってなくて、ペンギンが1羽歩いていて、踏み跡も全然なかったので、後で見て、これは面白いなと思いましたね。


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(茂藤)
カメラの装備などで何かアドバイスはありますか?

(武居)
ゾディアックボートでのクルーズや上陸では大きな荷物を持ち込むのが大変なことと、濡れることがあり防水対策も必要です。私の場合は一眼レフのカメラ2台と、レンズ交換可能なコンパクトタイプのカメラの3台を持って行きました。一眼レフの望遠だとレンズが大きくて重いので、コンパクトのカメラの、フルサイズだと800ミリ相当になるレンズでカバーしました。寒さでバッテリーの消耗が早いので充電がたいへんです。船内にはいくつかコンセントがありますが、ルームメイトとシェアするので、差し込み口が2~3個あるタップを持って行くといいですね。
一眼レフでなくてもコンパクトカメラでももちろん良いショットは撮れます。南極に行くから新しいのを買ってきて、使い方がわからずチャンスを逃す人もいました。使い慣れたものを持って行くのが一番です。広角から望遠までの高倍率のズーム機能のあるレンズなら、風景も動物も撮影できて便利です。
また、天気が良く明るいと液晶画面が見えにくいので、ファインダーがある機種がおすすめです。動画モードを活用するのも楽しいですね。音が入るのでペンギンのルッカリーでは音の記録にもなります。わたしも日本に戻り、画像の編集をしている時に動画を再生したら、気持ちはまた南極に戻りました。記録用のメディアを多めに持っていくのと、サブのカメラもあるとトラブルがあっても安心です。

▽対談者
武居台三さんの略歴
取材・撮影
キューバ革命の年、伊勢湾台風の日に長野県で生まれる。1986年にパキスタンのヒンズーラージ山域の登山を機に写真家を志す。その後フリーランスで雑誌や音楽関係の仕事に従事。1993年に共同で編集プロダクション「グルーポ ピコ」を設立。公益社団法人日本写真家協会会員。

田島和江さんの略歴
監修・協力
世界の辺境地へのツアーを数多く企画。1997年にツアー・オブ・ザ・イヤー(アイデア企画特別賞)を受賞後、連続2年ツアー・オブ・ザ・イヤーに入選。2000年、地球最果ての地、南極に行ったのを機に以後南極ツアーを積極的に展開。極地専門の旅行会社、株式会社トライウエルインターナショナル代表。

司会は、マーケティングプロデューサー 茂藤泰彦が担当した。

この記事で使用した写真の著作権は、武居台三、株式会社トライウエルインターナショナル、もしくは株式会社ダイヤモンド・ビッグ社が有しています。

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