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【キプロス・パフォス】2017年の欧州文化首都に決定!今後は新しいツアー企画開発も期待される、注目のディスティネーション

「地球の歩き方」編集室:三戸良彦

欧州文化首都 Pafos2017のオープニングセレモニー

■欧州文化首都 Pafos2017のオープニングセレモニー
©foto LARKO,Pafos

「欧州文化首都」制度は、原則として毎年EU加盟国の中から「欧州文化首都」を定め、1年を通して様々な芸術や文化に関する行事を開催し相互理解を深めようというもので、1985年、当時のギリシア文化大臣メリナ・メルクーリ氏の提唱により発足した。ひとつのヨーロッパの真の実現のためには、政治的、経済的な条約や協定だけでなく文化の相互理解が不可欠だという考えが込められている。当初はEU域内の文化交流のイベントに留まっていたが、ヨーロッパの市場統合やEUの拡大に伴い、世界各国へ幅広く文化交流のメッセージを発信し、参加を求めるようになった。日本も1993年から「EU・ジャパンフェスト」を開催し、日本とヨーロッパ相互の文化交流の貴重な舞台にもなっている。

欧州文化首都 Pafos2017

■左:パフォスの町にはあちこちにPafos2017のボードや垂れ幕が掲示され、オープニングの盛り上がりを見せていた
 右:記者会見を行うPafos2017チェアマンのクリストス・パツァリーデス(Mr. Christos Patsalides)氏

2017年はキプロス共和国のパフォスが「欧州文化首都」となり、1月28日にそのオープニングセレモニーが開催され、Pafos2017が華やかに開幕した。セレモニーに先立って行われた記者会見で、Pafos2017チェアマンのクリストス・パツァリーデス氏から今回のイベントの計画が発表された。イベントは演劇や舞踊などの舞台芸術、映画、音楽や写真、アニメ、さらには食文化(ガストロノミー)と幅広い文化のジャンルにわたり、その数は350を超えるという。そして音楽コンサートなど一部のイベントを除き、そのほとんどは無料で楽しむことができるそうだ。

■セレモニーの開会式でパフォス市長にヨーロッパ委員会から欧州文化首都の記念盾が贈られた。左からPafos2017チェアマン、クリストス・パツァリーデス氏、パフォス市長、フェドナス・フェドノス(Mr. Fedonas Fedonos)氏、ヨーロッパ委員会のクリストス・スティリアニーディス(Mr. Christos Stylianidis)氏

■セレモニーの開会式でパフォス市長にヨーロッパ委員会から欧州文化首都の記念盾が贈られた。左からPafos2017チェアマン、クリストス・パツァリーデス氏、パフォス市長、フェドナス・フェドノス(Mr. Fedonas Fedonos)氏、ヨーロッパ委員会のクリストス・スティリアニーディス(Mr. Christos Stylianidis)氏
©foto LARKO,Pafos

欧州文化首都 Pafos2017

■開会式のあと、オープニングセレモニーのメインステージでは、パフォス発祥の神話である「ピグマリオンとガラティアの物語」――キプロス王ピグマリオンは彼が自ら彫刻した美しい女性像に恋に落ちた。アフロディーテはその像に命を吹き込むとガラティアという女性となり、ふたりは結ばれた。そして生まれた子ども「パポス」がパフォスの地名の由来だという――をモチーフにしたパフォーマンスが繰りひろげられた
©foto LARKO,Pafos

 キプロスは、日本ではまだ知名度はない国かもしれないが、ヨーロッパでは人気の高い地中海に浮かぶ観光とリゾートの島だ。ギリシア神話にも所縁が深く、美の女神アフロディーテ(ビーナス)は、この島で誕生したとされている。四国のほぼ半分の面積で人口が約85万人(南部のギリシア系・キプロス共和国の地域の人口)ほどのこの国の観光客数は、年間300万人を超えるという。2016年にはツーリズムEXPOジャパンにも出展し、日本での認知度を高めるためのプロモーションの強化にも取り組んでいる。

欧州文化首都に選ばれたパフォスは、アフロディーテ生誕の地とされるペトラ・トゥ・ロミウをその域内に抱える伝説の地で、古くから聖地として重要な場所だった。古代ギリシア、ローマ時代にはキプロスの中心として栄えた。聖パウロがここを訪れたことでも知られている。また、海岸沿いには美しいビーチが点在し、キプロスでも有数のリゾート地でもある。素晴らしい保存状態で残されたモザイク画のあるローマ時代の貴族の邸宅やアクロポリス(王族の墓)などの古代遺跡が一括してユネスコの世界遺産に「パフォス」として登録されている。いわば町全体が世界遺産とも言えるのがパフォスなのだ。

欧州文化首都 Pafos2017

■左:アフロディーテ生誕の地とされる、ペトラ・トゥ・ロミウ海岸
右:聖パウロの柱。この石柱に聖パウロが縛られ鞭を打たれたという

欧州文化首都 Pafos2017

■左:テセウスの館にある素晴らしい保存状態のモザイク画
右:パフォス考古学公園。海の見える広大な丘の上に古代から中世までの遺跡が点在する

欧州文化首都 Pafos2017

■左:パフォス城。現在は博物館になっている
右:まるで神殿のようにも見える王族の墓(No.3墓)

 来る2月24日には、2017~18年に欧州文化首都選ばれた各都市(2017年:デンマーク/オーフス、キプロス/パフォス。2018年:オランダ/レーワルデン、マルタ/バレッタ)から関係者が来日し、日本旅行業協会(JATA)でツーリズムの振興を目的としたセミナーが開催される。パフォスからもクリストス・パッツァリーデス氏が来日し、日本のツアー企画担当者に向けてキプロスとパフォスの魅力をプレゼンテーションする予定だ。そこではそれぞれの都市の魅力ばかりでなく、期間中の注目イベントや普段は入場できないような建物への特別入場などの情報も提供される。

 2017年の観光シーズンには、魅力的なキプロスへのツアー企画が登場する可能性は高い。次の旅先のチェックリストには、キプロスもピックアップしてはどうだろう。

<関連サイト>
欧州文化首都 2017・パフォス(英文)
期間中のイベントスケジュールが掲載されている
http://www.pafos2017.eu/?lang=en

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