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世界の磁都「景徳鎮」から現代名匠による陶磁器百点がお披露目中!

編集室:た

景徳鎮――多くの人が陶磁器を思い浮かべるこの地で作られた品々は、中国の宮廷で愛され、普及品は民間に広がり、さらに美術工芸品としてシルクロードを通じて西方へと送られ、イスラム諸国を経由しながらヨーロッパに届けられました。中国の英語名称「China」がそのまま陶磁器を示す名詞「china」となっていることからも、景徳鎮は陶磁器の代名詞と呼ぶにふさわしいと申せましょう。

その地から、現代の名匠おひとりとその弟子おふたりが約百点の作品とともに来日されました。

現代景徳鎮陶磁器の第一人者、秦錫麟氏と、邱含氏、陳敏氏の三名です。

1988年に「中国工芸美術大師」の称号を授与された秦錫麟氏の青花釉裏紅急須「花団錦蔟(一塊になった美しい花)」〈一番手前〉をはじめとする作品群

景徳鎮における陶磁器制作の技術を受け継ぎながら、独自の美意識と新しい試みを加えてさらなる発展を目指す姿勢は高く評価され、秦錫麟氏と、邱含氏は「中国工芸美術大師」(日本で言うところの人間国宝)の、陳敏氏は「中国陶芸美術大師」の称号を与えられています。

開幕式で「斬新で新しい美術創作を楽しんでほしい」と挨拶された秦錫麟氏はその"国家級"の腕を買われ、1998年に来日した当時の国家主席が天皇特例会見に臨むにあたって、氏の作品を贈り物に選んだことがあるのだそうです。

来場者に自ら作品の解説をする秦錫麟氏

秦錫麟氏と、お弟子さんの邱含氏、陳敏氏の作品展示は、東京飯田橋の日中友好会館美術館にて好評開催中。6月15日のオープニングイベントでは、邱含氏、陳敏氏がその場で白磁に絵付けをして見せる実演も行われました。

観客の質問に気さくに答えながら目の前でどんどん仕上げていきます。手前が陳敏氏、奥の左が邱含氏。奥の右は実演に飛び入りした訪日団のひとり凃志浩氏。

この日用いられた顔料は速乾性で、手が多少擦れても大丈夫だそう。邱含氏は全然気にせず手を皿について安定させながら描いていきます。

大作には1~2日かかることもありますが、このくらいのサイズを描き上げる目安は30分程度だそうです。

みるみるうちに陳敏氏が1皿を描き終えました。「嬰戯(子供たちが遊んでいる様子)」は氏の得意な題材。釉薬をかけ780~810℃で焼けば完成で、焼いても色は変わらず、むしろ艶が出るとのこと。

顔料は、焼くまではいつでも消せるそうで、実際に飛び入り参加の凃志浩氏を紹介するため邱含氏が皿に書いた名前を、次の作品を描くために陳敏氏はティッシュでさっと消していました。

邱含氏による意欲作「大地之黄沙漫漫(大地に一面の黄砂)」〈2016年〉は、1380℃くらいで焼く高温釉薬装飾技法を用いた陶板

秦錫麟氏、邱含氏、陳敏氏――三者三様の個性あふれる作風に、景徳鎮陶磁器の可能性と未来への継承とを感じられる展覧会です。ぜひお楽しみください。

ちなみに中国江西省にある景徳鎮は、上海や杭州から見て南西に位置します。 市内に景徳鎮空港がありますが日本との直行便はないので、上海や広州で国内便に乗り換えることになります。のんびりと向かうなら上海、広州から鉄道でおよそ14~16時間ほど(2017年6月現在)。景徳鎮の町なかには、陶磁器をテーマにした博物館や北宋時代の窯跡など、景徳鎮陶磁の昔と今を知る施設が目白押し。もちろん本場の陶磁器を売るお店もたくさんありますから、目利きに自信のある方には楽しい買い物となるでしょう。 展覧会をご覧になって興味をお持ちになられた方は、現地にも足を運ばれてみてはいかがでしょう。

(編集室:た)

■日中国交正常化45周年記念
 薪火(まきび)の相伝-景徳鎮現代陶磁作品展

【会期】2017年6月15日(木)~ 7月5日(水)
【休み】月曜日
【開館】10:00~17:00
【料金】無料
【場所】日中友好会館 美術館
【交通】
都営地下鉄「飯田橋」駅C3出口より徒歩約1分、JRおよび東京メトロ「飯田橋」駅より徒歩7分、東京メトロ「後楽園」駅より徒歩10分
【お問い合わせ先】
公益財団法人日中友好会館 文化事業部
Tel(03)3815-5085
〒112-0004 東京都文京区後楽1-5-3
URL:http://www.jcfc.or.jp/blog/archives/10111
【主催】公益財団法人日中友好会館、江西省陶磁研究所
【協力】次瓦合同会社
【後援】
中華人民共和国駐日本国大使館、中国文化センター、公益社団法人日中友好協会、日本国際貿易促進協会、一般財団法人日本中国文化交流協会、日中友好議員連盟、一般財団法人日中経済協会、一般社団法人日中協会、中国陶磁大師連盟、江西省工芸美術館

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