編集部TOP > 地球の歩き方編集部・取材&日記 > オペラ『ドン・ジョヴァンニ』の世界観をモーツァルト自らがなぞる。
全編プラハロケの映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』は12月2日より!
地球の歩き方編集部・取材&日記
地球の歩き方編集部による、取材レポートや日記ブログ。海外旅行ガイドブックの改訂や新刊の制作に向けて、スタッフが現地を旅して発見した最新・おもしろい・お得なネタをご紹介。裏/B面ネタもあり?!

オペラ『ドン・ジョヴァンニ』の世界観をモーツァルト自らがなぞる。
全編プラハロケの映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』は12月2日より!

編集室:た

その名を知らない方はおそらくいらっしゃらないであろう、18世紀古典派音楽の巨匠のひとり、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。
しかしこれまでに彼を扱った戯曲や映画はさほど多くありません。有名なところでは舞台作品を元に1984年に制作され、アカデミー賞を受賞した映画『アマデウス』が思い出されるくらいです。
その『アマデウス』でも主人公はどちらかといえば同業(作曲家)のサリエリで、モーツァルトは天才であると同時に天真爛漫かつエキセントリックな奇人としての面を強調した描かれ方をしていました。
あれから30余年、ついにモーツァルト自身を主人公とする映画が本作です。

舞台は1787年頃のプラハ。この年モーツァルトは実際にプラハを訪れて『ドン・ジョヴァンニ』K.527を作曲、10月29日の初演では自ら指揮する ©TRIO IN PRAGUE 2016

映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』に登場するモーツァルトは、いわゆるイケメン。才能にあふれ無邪気、その一方で幼い三男を亡くしたばかりでやや憂いも含んでいる、というほぼ無敵のキャラクター。

物語は、プラハの有力者たちに招かれ単身赴任でやってきた妻帯者のモーツァルト、『フィガロの結婚』プラハ公演でソプラノを担当することになった新人オペラ歌手スザンナ、地元の名士の顔を持つ裏では金と地位にものを言わせる猟色家サロカ男爵、これら三人の愛憎を軸に紡がれます。

『フィガロの結婚』ブームに沸くプラハに招かれたモーツァルト。仮面舞踏会なのに正体バレバレ ©TRIO IN PRAGUE 2016

オペラをはじめ地域文化振興のパトロンを務めつつ、女優や歌手にどんどん手を出しているサロカ男爵の手に掛かり、『フィガロの結婚』のソプラノ歌手が降板。
代役として抜擢されたスザンナは歌声はもちろん見目麗しく、懲りないサロカ男爵にすぐ目を付けられる。
スザンナは男爵には興味がなく、新作オペラの制作を手伝うという名目で足繁くモーツァルトの元へ通う。
病気の妻が子供を連れて湯治に行ってしまったためひとりでプラハに来たモーツァルトには心の隙があり、スザンナに惹かれる。
いつしかスザンナも音楽的才能への敬愛を超えてモーツァルト自身を好きになる――と、これを簡単に申してしまうと「モーツァルト×スザンナにサロカ男爵が横恋慕」という図式なのですが、サロカ男爵がかのカリオストロ伯爵の物欲を色欲に置き換えて実写化したような悪徳人物で、スザンナを手に入れるために、モーツァルトと因縁の深いザルツブルク大司教コロレード伯爵が寄越した特使と組んで、あれこれ策略を企むところがただの横恋慕では済まない話の展開を呼んでいます。

身を寄せているヨゼファ夫人の邸宅で、オペラ作曲に勤しむ。ところどころにある演奏や歌唱シーンには思わず引き込まれる ©TRIO IN PRAGUE 2016

モーツァルトのこの経験が、プラハで書き起こすことになる新作オペラ『ドン・ジョヴァンニ』に注ぎ込まれていくという、本来の史実をご存知のみなさんもご存じないみなさんも、フィクションとノンフィクションとが交錯する物語の構成に不思議な感覚を覚えることでしょう。

全編をプラハでロケ撮影したという本作では、物語の舞台となる美しい中世の街並みと、光の加減で表情を変える景色も見どころです。オペラ公演の行われるスタヴォフスケー劇場(エステート劇場)はプラハ観光の目玉のひとつ。1787年『ドン・ジョヴァンニ』の初演がかかり、映画『アマデウス』の撮影後に修復され、より一層輝きを増したこの劇場は、今でも実際に入場してオペラを鑑賞できる歴史的建物として人気を博しています。
『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』をご覧になったあとでプラハの街を歩けば、自らが映画の世界に入り込んだかのような気持ちを味わえること請け合いです。

新作オペラ制作を通じて惹かれ合うモーツァルトとスザンナ。焼き餅を焼いて態度の粗くなるモーツァルト付きの使用人バルバリーナ(ルビー・ベントール)にも注目! ©TRIO IN PRAGUE 2016

さて、個人的にいちばん印象に残っているのは物語の後半、離れていた妻と幼い子供ふたりをプラハで迎えるモーツァルトが、再会した妻と抱き合うシーン。笑顔の妻、涙ぐむモーツァルト。

――彼の涙にはこのときどんな思いが込められていたのだろう。

比較的登場人物たちの気持ちの動きを汲みやすい本作のなかで、最も複雑な感情の含まれていた場面ではなかろうか、と思うのです。

『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』

上映日程:2017年12月2日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町(東京有楽町)、新宿武蔵野館(東京新宿)、シネ・リーブル梅田(大阪梅田)、ミッドランドスクエアシネマ(愛知名古屋)ほかにてロードショー。以後、全国各地にて順次上映

配給
熱帯美術館
監督・脚本
ジョン・スティーブンソン
脚本
ブライアン・アシュビー、ヘレン・クレア・クロマティ
出演
アナイリン・バーナード(モーツァルト)
モーフィッド・クラーク(スザンナ)
ジェームズ・ピュアフォイ(サロカ男爵)
サマンサ・バークス(ヨゼファ夫人)
ほか
原題
Interlude in Prague
字幕翻訳
チオキ真理
公式サイト
http://mozart-movie.jp/

103分/UK・チェコ合作/2017/カラー/シネマスコープ/5.1ch

映画『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』映画鑑賞券ご応募はこちら
(抽選で2組4名様にプレゼント)

関連書籍

こちらも好きかも

島旅シリーズ第10弾制作中
相島に行ってきました!

【新刊登場】関西の開運神社で御朱印集め、はじめてみませんか?

オレンジに染まる砂漠、青の町、ピンクシティ☆
モロッコで色彩の絶景を巡る♪

ベストシーズンのハノイから絶景トリップ!
世界遺産ハロン湾と少数民族の里サパの楽しみ方

幻想的でまるで夢の中のよう!おとぎの国ドイツのクリスマスマーケット6都市

【ドイツ・ミュンヘン】バイエルン国立歌劇場で、本場のオペラを!