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サウスダコタ州から西隣のワイオミング州にかけて、ロッキー山脈の東は、大草原がどこまでも続くアメリカ中西部らしいエリアだ。I-90を走ると、目に入ってくるのは、大豆畑や麦畑、牧場とそこでのんびり草を食む牛たち。前にも後ろにも、対向車線にもクルマはなく、滑走路を進むような気がしてくる。このままアクセルを踏み込めば離陸するかも... と思わせるのは、ここに宇宙人の円盤が飛来したからだろうか。今回の旅は、いったん州を西に向かって進んでみた。

●●『地球の歩き方B01アメリカ』編集担当 山本玲子●●
取材協力: サウスダコタ州政府観光省 South Dakota Department of Tourism
アメリカ西部5州政府観光局

※取材時期:2013年5月

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パワースポットは宇宙への入口 デビルスタワー
西部劇から抜け出したような町 デッドウッド
「亀の子」蒸気機関車が走る! ブラックヒルズ・セントラル鉄道
いかついバイク野郎の、フレンドリーなお祭り スタージスラリー

 パワースポットは宇宙への入口
 デビルスタワー Devils Tower

「ピ・ポ・パ・ピ・パー……」
初めて遭遇する地球外の生物と、どのように交信すればよいのか。人間たちは試行錯誤する。そして、やっとつかんだ手段は「音」であった。
1977年、巨匠スピルバーグが監督と脚本を務めた大ヒット映画『未知との遭遇』Close Encounters of the Third Kind (1977年 アメリカ)は、このデビルスタワーが舞台だ。

デビルスタワーの遠景と近景

■左:I-90 を降りて US-14 を走るあたりから見え始める。映画の「避難する車列」を思い出しながら走る
■右:近くで見ると思ったより白い。小岩に足を取られながらも近づいて見上げてみよう


まるで洗濯板のように、ギザギザの外壁をもつ塔は、地球の産物とは思えないシロモノだ。先住民の伝説では、クマがタワーに逃げる人間を追いかけ、よじ登ろうとして引っ掻いた傷といわれている。下から見上げると、本当にクマの爪痕のよう。また、ここはロッククライマーたちのメッカでもある。早朝に訪れれば、ほぼ垂直の岩に挑むクライマーたちを見ることができる。

巨大なクマが引っ掻いた傷だ

■巨大なクマが引っ掻いた傷だ

ほとんど垂直の岩壁に挑むクライマーたち

■ほとんど垂直の岩壁に挑むクライマーたち。腰のザイルに注目


ご存じないかもしれないが、先住民の人々は長い間この塔を崇めてきた。公にはされていないものの、今もある時期が来るとここに集い、儀式を行う。1周1時間のトレイルを歩くと、それらしきあとも見える。ひょっとしたら、彼らは映画のようにここで宇宙人と交信していたのかもしれない……。

そんなデビルスタワーはパワースポットとも言われている。神々しく天に向かって伸びるタワー、人間の想像を超えた不可思議な姿、そしてつんと澄みわたる空気。ここには、ずっといたくなる心地よさがある。日々の生活に疲れた人に、じっくり訪れてほしいところでもある。なお、デビルスタワーはサウスダコタ州ではなく、西隣のワイオミング州にある。アクセスは、ラピッドシティからのレンタカーがベスト。約180km、2時間のドライブだ。


参考になるサイト
●デビルスタワー国定公園
 
www.nps.gov/deto


 西部劇から抜け出したような町
 デッドウッド Deadwood

デビルスタワーをあとにしてサウスダコタに戻る。州の西にあるデッドウッド Deadwood は、小さいながらも、まるで西部劇に出てくるようなカッコいい町だ。メインストリート沿いに歴史的な宿屋や酒場、そしてカジノが並ぶ。いかにも「観光地」という様相を呈していないのがおもしろい。最後のゴールドラッシュが起きた町として知られているが、そのじつ、金はほとんど出なかったそうだ。

デッドウッド夜景

■デッドウッドは最後のゴールドラッシュが起こった町


ところで、皆さんは「ワイルドビル」という人物をご存知だろうか。西部開拓時代のガンマンで、2丁拳銃の早撃ち名人である。そのワイルドビルの最期の地となったのが、デッドウッドの町だ。
射殺されたとされる場所が、サルーン10番 Saloon #10 という酒場で、今も当時の面影を残す、抜群に雰囲気のいいバーである。昔の写真やインディアンの髪飾り、樽のイスとテーブルなどがあって、そこに座っていると自分が西部劇の一部になったよう。夜になればライブ演奏もあり、手軽な値段でアルコールも楽しめる。

酒場 サルーン10番

■西部劇に出てきそうな酒場 サルーン10番


さて、デッドウッドはいくつもの小さなカジノが名物でもあるが、そのなかのひとつミッドナイトスター The Midnight Star は、映画『アンタッチャブル』『ダンス・ウィズ・ウルブズ』『ボディガード』などで知られる俳優ケビン・コスナーの店なのだ。スポーツバーを兼ねた店内には、彼が出演した映画の衣装や小物が、これでもか、とばかりに飾られている。『フィールド・オブ・ドリーム』『追いつめられて』『ロビン・フッド』など、ファンなら垂涎もののグッズのオンパレードというわけ。今となってはその夭逝が悼まれるホイットニー・ヒューストンが『ボディガード』で着用した衣装も展示されている。

『ダンス・ウィズ・ウルブス』での衣装

■映画『ダンス・ウィズ・ウルブス』でケビン・コスナーが着用した衣装が展示されている

参考になるサイト
●デッドウッド観光局
 
www.deadwood.org
●ミッドナイトスター
 www.themidnightstar.com

 「亀の子」蒸気機関車が走る!
 ブラックヒルズ・セントラル鉄道 Black Hills Central Railroad

意外かもしれないが、世界最長の鉄道王国はアメリカだ。国内には鉄道黄金時代の面影を残す駅舎がいくつも残り、それを見ているだけでもその栄華をはかり知ることができる。また、いなかへ行くと100以上の車両が連なる貨物列車を見ることも珍しくない。
マウントラシュモアの麓の町であるキーストーン Keystone とその西のヒルシティ Hill City の町を結ぶのがブラックヒルズ・セントラル鉄道だ。

(編集部注):
営業運転可能な鉄道路線の総合計距離では、アメリカは 22万8,500 kmを超え、第2位のロシア 8万5,300 km弱、第3位の中国 6万6,200 kmを遥かに凌駕する。(出典:「GLOBAL NOTE」)

アメリカでも鉄道ファンはとても多い

■左:アメリカでも鉄道ファンはとても多く、予約をしなければ乗れない
■右:おみやげも充実

ゴールドラッシュの頃、鉱石などの運搬用として鉄道が敷設。かつてはマウントラシュモアやクレイジーホースから粉砕された花崗岩を運んだこともあったという。今はすっかり観光用に姿を変えた列車が、5〜10月の間毎日2〜4往復している。走行距離約30km、往復2時間強の列車の旅で、草原や渓谷、森の中を走り、途中シカやシチメンチョウ、運がよければマウンテンライオンやバッファローが見えるそうだ。
鉄道ファンにとってうれしいのは、列車が「亀の子」の愛称をもつサドルタンク式蒸気機関車であること。煙突から元気よくあがる白い煙を眺めながら、ぜひ蒸気機関車の旅を楽しんでほしい。

蒸気機関車

■かつて鉱物を運んだ蒸気機関車。現在は観光用

参考になるサイト
●ブラックヒルズ・セントラル鉄道
 
www.1880train.com


 いかついバイク野郎の、フレンドリーなお祭り 
 スタージスラリー Sturgis Rally

ところで、8月初旬になるとブラックヒルズ Black Hills(サウスダコタ州とワイオミング州にまたがる山のこと。現在はラピッドシティを中心としたエリアを指す)一帯は、大きく様変わりする。全米はもとより世界中からバイク愛好家が集結して、イベントが開催されるのだ。イベントの名はスタージスラリー Sturgis Rally。ラピッドシティから北西へ約40kmのスタージスの町を中心に、バイク好きならではの催しものが行われる。カスタムバイクの世界一を競ったり、急登坂に挑むレースが行なわれたり、どの会場も熱気に包まれる。

一見いかついバイク野郎たち(オシャレな女性ライダーもいる)だが、ここでは旧友との再会を懐かしむ“同窓会”的な風景が見られるばかりでなく、知らない者同士でもマシンを見せあい、談笑する輪がすぐできる。
日本から来たと知ると「Honda,Yamaha,Suzuki,Kawasaki」と大声で話しかけ、俺のマシンを撮ってくれと笑う。バイク好きでなくても、この時期に訪れるならぜひ覗いてほしいイベントだ。というより、どの観光地へ行っても、ラリー参加者であふれかえり、道も彼らの往来で簡単に進めないこともある。おそらく、普通なら一生かかっても見られない台数のバイクを半日で眺め通すことになる。サイドカーに愛犬を乗せたライダーもいれば、コスプレにメイキャップを施した「Otaku」もいる。本当に気さくな人ばかりなので、笑って近づけば輪に混ぜてくれる。バーボンのふるまいもあって、バンジョーやアコーディオンの音色が響いて、カントリー&ウエスタンの知っている歌が聞こえてくるころには、すっかり気分は○○族だ。
参上!

■ヒルシティのメインストリートで。何重にも並べて駐車したマシンの間を愛機に跨り参列する。全米はおろか海外のナンバープレートも散見する

集会

■ある「チーム」の集会。ヒルシティのオーベルジュ(宿泊可能なホテル)の前

愛機とベストパートナー

■近郊の町のガスステーション。こうした「パートナー」をサイドカーに乗せているライダーも少なくない

参考になるサイト

●スタージス・コム
 
www.sturgis.com

●スタージスモーターサイクルラリー
 www.sturgismotorcyclerally.com


スタージスラリーは、例年8月の第一月曜日から7日間の会期で行われる。(正しくは上記サイトなどでご確認ください)
40万台ともいわれるバイクが一挙集結するので、交通渋滞と食事は思うに任せない。ゆとりあるスケジュールを組みたい。とりわけ宿の手配が大変だ。事前の予約をおすすめする。

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