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地球の歩き方のイギリス・グラスゴー特派員が現地からヨーロッパの旅行・観光・食事・プレイスポットなどの現地最新情報をお伝えします。
先日、イングリッシュへリテイジが管理公開しているベルセイ城とベルセイホールに出かけてきました。今日は、その中世のお城ベルセイ城と、同じ敷地内に建つお屋敷と庭の散策をごいっしょしていただけたらと思います。イングランドの最北端に位置するノーサンバーランド州(Northumberland)は、スコットランドに属することもあった歴史的背景を持つがゆえにお城の多いことでも知られています。そのノーサンバーランド州の村ベルセイ(Belsay)にベルセイ城(Belsay Castle)が築城されたのは14世紀のことでした。
オリジナルのお城は、ピールタワー(Peel tower)と呼ばれるこの地方独特の天守閣に円筒形の小塔タレット(turret)を配した構造だったのでしたが、その後、地元の貴族ミドルトン (Middleton) 家の所有となり、住居として使用されるにいたって17世紀に画像左手の部分が増築され、19世紀まで代々ミドルトン一家の住まいとして使用されていました。
ベルセイ城は、イギリスの文化財の第一級建造物に指定されています(ちなみにバッキンガム宮殿もそのひとつ)。往時の住居としての面影はとどめていないながら城内は自由に見学できます。また、今年のイースター(4月10日〜13日)からは、以前、城内の大広間に展示され、人気の高かったクリスタルの馬「ラッキー・スポット(Lucky Spot)」が再度展示されることになっているとのこと。「ラッキー・スポット」は、馬の跳躍する姿を天井からつるされた無数のクリスタルの粒によって表現した作品なのだそうです。作者は、ポール・マッカートニーの次女でファッションデザイナーでもあるステラ・マッカートニー。
小塔タレットの石のらせん階段を上り詰めると屋上に出ます。屋上からは、眼下に広がる緑の平原を見渡すことができます。
19世紀になると、モンク(Monck)と苗字を改めたミドルトン一家、お城の住居では手狭になってしまったので、ベルセイ城からそう遠くない同じ敷地内にお屋敷を建てて引っ越しました。そのお屋敷というのは、ギリシア建築様式をとり入れた、こちらのベルセイホール(Belsay Hall)。
玄関を入った奥にある吹き抜けになったホール。
2階部分……。
700年近くにわたってミドルトン一家の住まいとなってきたベルセイ城とベルセイホールだったのですが、1962年、一家はベルセイを離れ、お城とお屋敷の管理は、イングリッシュヘリテイジに委ねられることになりました。そのとき家財道具の一切は持ち出されてしまったので、お屋敷の内部に残されているのは造りつけの暖炉や家具だけとなっています。
それでも、各部屋には、一家が住まいとしていたときの痕跡が残っています。こちらは、吹き抜けになったホールを囲むベッドルームの一室。壁には、ウィリアム・モレス風の壁紙が……。
代々地方の豪族ではあっても、20世紀に入ってこれだけ大きなお屋敷を個人で所有し、保持していくのは大変なことだったにちがいありません。このベルセイホールもベルセイ城とならんで文化財第一級建造物の指定を受けています。
お屋敷のわきには、現代のガレージにあたる厩舎(きゅうしゃ)があります。
厩舎の中には、馬も飼われていたにちがいありませんが、今は、馬が引いた馬車だけが残されています。
さらに、お屋敷の反対側の横手から広大な庭がはじまっています。残念ながら、まだ庭には目を引くほどカラフルな花は見あたりません。
ユー・ガーデン(Yew Garden)。「ユー(Yew)」とは、「イチイ」の木。
ウインター・ガーデンの奥には、このベルセイホールの呼び物、ほかのお屋敷では見かけないクゥオリー・ガーデン(Quarry Garden)が続いています。「クゥオリー(Quarry)」とは、「石切り場」。
この石切り場から切り出された石がお城やベルセイホールの建築資材となり、採石された跡がほかに比類を見ない庭となって生まれ変わったのです。花をつけているのは、シャクナゲ。
クゥオリー・ガーデンは、お屋敷とお城をつなぐ散歩道となっています。クゥオリー・ガーデンからお城への小道で、春の到来を告げる可憐な野の花を見つけました。
イースターが訪れると、イギリスも春本番。クリスタルの馬「ラッキー・スポット」を見物がてら、春のお庭の散策をしにベルセイ城とベルセイホール、ぜひ再訪したいと思っています。
イングリッシュ・ヘリテイジ(English Heritage)のサイトの
ベルセイ城(Belsay Castle)とベルセイホール(Belsay Hall)のページ
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